クレルボー修道院(読み)くれるぼーしゅうどういん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クレルボー修道院」の意味・わかりやすい解説

クレルボー修道院
くれるぼーしゅうどういん

ベネディクト派の修道会であるシトー会に属する大修道院。フランス北部、オーブ県バール・シュル・オーブ近郊のクレルボーClairvauxにあった。1115年、クレルボーの聖ベルナルドゥス(フランス名ベルナール)により開かれ、彼の宗教的、政治的声望によって大いに栄えた。当時すでに12の荘園(しょうえん)と700余人の修道士を擁するに至り、教会の内部刷新運動に重要な地位を占めた。その後も発展を続けて、各地に100近い修道院をもち、15人の枢機卿(すうききょう)、教皇1人を輩出したが、ルネサンス以降はしだいに勢力を失い、フランス革命によって国有化され、往時聖堂も破壊された。1808年以後は中央監獄となり、第二次世界大戦後も受刑者が収容されている。

[鶴岡賀雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android