日本大百科全書(ニッポニカ) 「クーリア」の意味・わかりやすい解説
クーリア
くーりあ
curia ラテン語
古代ローマにおいて、次の三つの意味があった。
(1)全国民の一区分。王政時代にローマ全国民は三つのトリブスに分かれ、各トリブスは10のクーリアに分かれた。各クーリアは、軍隊に百人隊を提供し、また全国民の政治的集会(民会)は全クーリアの統合でクーリア民会とよばれた。クーリア民会は、ケントゥリア民会が重要になるとともに政治的意味を失ったが、帝政期に入っても宗教的意味をもって存続した。
(2)古代ローマ時代にさまざまな集団の集会場所がクーリアとよばれたが、とくにフォルム・ロマヌム(フォロ・ロマーノ)にあるローマの元老院の建物が長くこの名でよばれた。
(3)ローマ帝政期の諸都市の参事会(ローマ元老院にあたるもの)がクーリアの名でよばれた。
[弓削 達]