フォロロマーノ(読み)ふぉろろまーの(その他表記)Foro Romano

デジタル大辞泉 「フォロロマーノ」の意味・読み・例文・類語

フォロ‐ロマーノ(Foro Romano)

イタリアの首都ローマの中心部にある古代ローマ時代の遺跡カンピドリオの丘パラティーノの丘の間に位置する。紀元前6世紀から紀元3世紀まで、古代ローマの政治・経済・商業の中心地として栄えた。元老院が置かれたクーリア、セベルス帝の凱旋門バシリカユリア(ユリウスバシリカ)、サトゥルヌス神殿ウェスタの神殿など、修復・再建されたものも含め多数の遺跡がある。1980年、「ローマ歴史地区、教皇領とサンパオロフォーリ‐レ‐ムーラ大聖堂」の名称で世界遺産文化遺産)に登録された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「フォロロマーノ」の意味・わかりやすい解説

フォロ・ロマーノ
ふぉろろまーの
Foro Romano

イタリアの首都ローマに残る古代ローマの中心地の遺跡。カンピドリオの丘とパラティーノの丘の間にある低地で、古代ローマ1000年の歴史を通じて政治、司法、宗教、商業の中心地であった。入口の右手に紀元前179年建築のバシリカ・エミリアがあり、ここは金融施設であった。その奥に元老院のあったクーリアがあり、その左に紀元後203年建築のセウェルス帝の凱旋(がいせん)門(アルコ・ディ・セッティミオ・セベロ)、さらに左に古代ローマの演壇ロストラがある。そのロストラの左に、カンピドリオの丘にあったジュピターの神殿まで通じる聖なる道(ビア・サクラ)がある。聖なる道の反対側に前497年に建てられたローマの農業神を祭ったサトゥールノ神殿がある。また聖なる道に沿ってバシリカ・ユリア(シーザーのバシリカ)の礎石が残っているが、この建物は最初カエサル(シーザー)が前46年に建てたものである。この東にある円柱は紀元後608年建築のコロンナ・ディ・フォカで、フォロ・ロマーノ最後の建造物である。なお、この遺跡のあるローマ歴史地区は教皇領、サンパオロ・フォーリ・レ・ムーラ教会とともに世界遺産の文化遺産として登録されている(世界文化遺産)。

[藤澤房俊]

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世界の観光地名がわかる事典 「フォロロマーノ」の解説

フォロロマーノ【フォロロマーノ】
Foro Romano

イタリアの首都ローマにある古代ローマ時代の遺跡。◇「フォロロマーノ」は英語の読みで、イタリア語は「フォルムロマヌム」になる。ローマの起源とされる7つの丘の中心、パラティーノの丘とカンピドリオの丘の中間にある東西約300m、南北約100mほどの広さのエリアで、聖なる道(ウィア・サクラ)に沿って、神殿、凱旋門、記念塔など、さまざまな規模の遺跡がある。ここは古代ローマ時代のローマの中心地区で、民会(コミティウム)や元老院の議場、宗教的な儀式を行う広場などがあった。ローマ帝国の東西分裂後、首都がイタリア北部のラヴェンナ(Ravenna)に移ると、しばしば異民族の略奪を受けるようになり、5世紀後半の西ローマ帝国滅亡後、廃墟となり埋もれてしまった。19世紀から本格的な発掘が行われるようになり、今日に至っている。

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百科事典マイペディア 「フォロロマーノ」の意味・わかりやすい解説

フォロ・ロマーノ

フォルム・ロマヌム

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世界大百科事典(旧版)内のフォロロマーノの言及

【フォルム・ロマヌム】より

…古代ローマの都にあった公共広場(フォルム)。イタリア語ではフォロ・ロマーノForo Romano。前7世紀カピトリヌス,パラティヌス,クイリナリス,エスクイリヌスの四つの丘に囲まれた低地を整備して広場の形にしたもの。…

※「フォロロマーノ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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