最新 地学事典 「クーロン-モールの理論」の解説
クーロン-モールのりろん
クーロン-モールの理論
Coulomb-Mohr’s theory
物体が破壊するときの応力条件を与える理論の一つ。破壊に関するO.Mohrの考えは,破壊時の応力状態を示すMohrの応力円(これを破壊応力円という)の包絡線の方程式で示されるもので,応力円包絡線説ともいわれる。一般にはこの方程式は直線を表すものではなく,その関数形は破壊実験の結果から決定されるものであり,岩石については放物線またはそれに近い曲線が得られている。Mohrの考えの最も簡単な場合として,破壊応力円の包絡線が直線で与えられる場合を考えると,その直線の式は,|τ|=τ0+cσ(cは定数)となり,結局,Coulomb-Navierの理論で与えられる破壊条件の式と同じものになる。これをCoulomb-Mohrの理論といい,Coulomb-Navierの理論とともに応力円包絡線説の特殊な場合とみることができる。剪断応力τと垂直応力σとが|τ|=τ0+cσなる2直線で挟まれた範囲内にある間は破壊は起こらないが,最大主応力が増大または最小主応力が減少して応力円がしだいに大きくなり,ついにこの直線に接したとき破壊が生ずることになる。
執筆者:植村 武
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

