日本大百科全書(ニッポニカ) 「グループ47」の意味・わかりやすい解説
グループ47
ぐるーぷよんじゅうしち
Gruppe 47
ドイツ統一以前、旧西ドイツで活動していた文学集団。1947年、A・アンデルシュとH・W・リヒターの編集になる若い世代の雑誌『叫び』が占領軍によって発行禁止処分を受けたあと、リヒターのリードによってつくられた。綱領も組織ももたず、文学の分野におけるエリートの育成を目ざして年2回(のちには1回)持ち寄った作品を朗読、批評しあう形式で進められたが、やがてジャーナリズムの介入により、いわば旧西ドイツの文学市場と化した。新人に与えられる「グループ47賞」の受賞者H・ベル、I・バッハマン、M・ワルザー、G・グラスのほか、U・ヨーンゾン、H・M・エンツェンスベルガー、P・ハントケらドイツ語圏を代表する作家たちを輩出させたが、旧西ドイツをめぐる内外政治の変転に巻き込まれ、1968年、旧ソ連軍のプラハ侵攻のため予定のプラハ会合が中止されたのを機に解散した。
[早崎守俊]