けづめ(英語表記)spur

翻訳|spur

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

けづめ
けづめ / 蹴爪

spur

肢(あし)(足)から後ろ向きに突出した部分で、鳥類や哺乳(ほにゅう)類の一部、昆虫にみられる。鳥では跗蹠(ふせき)の後面中央にある、鋭くとがった棘(とげ)状の角質突起をいう。この角質の鞘(さや)の中に、骨の小突起があり、「つめ」とは関係がない。キジ目の一部の雄にあり、各肢に1個が普通であるが、コクジャク属Polyplectronやキョケイ属Galloperdixのように、各肢に2~4個並んでいることもある。ごく一部の種を除いて雌には通常ない。主として雄どうしの闘争や外敵に対する防御に用いられ、かなり強力な武器で、ときには相手を殺すほどである。闘鶏でシャモやニワトリを戦わせる際に、けづめを除きかわりに鉄製の鋭い刃を装着して戦わせることもある。また哺乳類では、ウシ、ウマなどの足の後方にある小さな足指で地面に触れないものをいい、カモノハシ類には毒腺(どくせん)につながっているけづめがある。さらに昆虫では、第4肢節(しせつ)で脛節(けいせつ)とよばれる部分は、体に近い部分が細く、末端に向かって太くなっているが、この部分の1対または数対の突起をいう。

[森岡弘之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例