普及版 字通 の解説
8画
(異体字)
9画
[字訓] わざわい・あやうい
[説文解字]
[字形] 象形
肉(しにく)をけている形。は肉の象形。軍の出行のとき、軍社に供えた祭肉。師はその祭肉を奉じて出発した。〔説文〕十四上に「高なり」とし、を阜(おか)と解し、(てつ)声とするが、声義ともに合わない。肉を両手に奉ずる形は(けん)で(遣)の初文。軍を派遣するときに、この肉を分与するのである。この肉にみだりに曲刀を加えることは災厄を招く意とされ、その災厄を(げつ)という。はこのの初形と考えられる。〔字鏡集〕の訓は、上部を山の形と誤ったものである。
[訓義]
1. わざわい。
2. あやうい。
[古辞書の訓]
〔字鏡集〕 ヤマノタカキカタチ
[声系]
〔説文〕に声として(せつ)・など八字を収める。は〔説文〕十四下に「(つみ)なり」とし、も罪を本義とするものであろう。みなに従い、これに辛を加える形で、そのことが罪辟・災厄とされたのであろう。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報