こくそ漆(読み)こくそうるし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「こくそ漆」の意味・わかりやすい解説

こくそ漆
こくそうるし

こくそ」には木屑木屎、刻苧の字をあてることもある。枯死し腐朽した樹木を臼(うす)で搗(つ)き砕いて細かい粉末としたものや、鋸(のこぎり)のひき粉などを漆と混ぜてペースト状にしたもの。古くは抹香の粉末も混ぜたという。彫刻の場合、乾漆像の仕上げ、細部表現、あるいは木彫の彫りすぎた部分の盛り上げなどに用いるほか、木彫の漆下地や漆工品の素地(きじ)のすきまの充填(じゅうてん)用にも用いる。

[佐藤昭夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android