精選版 日本国語大辞典 「木彫」の意味・読み・例文・類語
き‐ぼり【木彫】
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木造彫刻の略で、牙彫(げちょう)などに対する語。日本の彫刻の大部分は木彫で、材の特性をよく生かし、その種類も非常に多い。飛鳥(あすか)時代にはほとんどクスノキが用いられ、特殊なものにアカマツ(広隆寺弥勒菩薩(みろくぼさつ)像)などが用いられた。奈良時代には木彫は少ないが、平安時代に入って、木彫が主流になりヒノキがおもに用いられた。奈良時代の伎楽(ぎがく)面、平安時代の舞楽面にはキリがおもに用いられたが、これは軽さを必要としたためであろう。
近来行われる趣味的制作は、「木彫り」とよび、専門家の木彫と区別している。第二次世界大戦後、物資の破壊と不足、男手の喪失から、婦人が実用と趣味とから木彫りを試み、最近は手芸として、各地に「木彫り教室」が設けられるに至った。
[岡登貞治]
木彫りを始めるには、まず素材とする木を選ばなければならない。そのために、実用品をつくるのか、鑑賞品をつくるのか、よく考えて、木を選ぶことである。また、平面的な盆のようなものをつくるのか、立体的な立像、パイプなどのようなものを彫るのかによっても木の質が違ってくる。次に、図案を木につけるには、〔1〕直接木にデザインする方法、〔2〕型紙を使った捺染(なっせん)法、〔3〕カーボン紙を使う方法、などがある。
彫りに使う用具も、平面か立体かで、それぞれ違う刀や糸鋸(いとのこぎり)を使う。仕上げには、木の材質そのものの味を生かす一刀彫りのような素朴なものから、日光東照宮の陽明門のような極彩色のものなどに使う、ラッカー、漆、顔料、最近では夜光塗料などまである。素材にも、合板材が種々出回り、仕上げ機も研究が進み発売されている。結局、一にアイデア、二にセンス、三に技術と、一つ一つ慎重に行うことが、よい作品を生むこつである。
[秋山光男]
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