日本大百科全書(ニッポニカ) 「コシ・ファン・トゥッテ」の意味・わかりやすい解説
コシ・ファン・トゥッテ
こしふぁんとぅって
Cosi fan tutte
モーツァルト作曲のオペラ(K588)。2幕。1790年ウィーンのブルク劇場で初演。ロレンツォ・ダ・ポンテのイタリア語台本による。「女はみんなこうしたもの」という邦題もあるように、ナポリの美しい姉妹に求婚している2人の青年士官が、女性の貞節に懐疑的な友人にそそのかされ、アルバニア人に変装して恋人の貞節を試すという筋書きで、登場人物の設定から筋の運びに至るまで、典型的なオペラ・ブッファのスタイルをとっている。音楽も同様に当時の一般的な様式に則して書かれているが、その精妙かつ生気あふれる旋律美は、数多いオペラ・ブッファのなかでも群を抜いている。わが国では1954年(昭和29)に二期会によって初演された。
[三宅幸夫]