日本大百科全書(ニッポニカ) 「コルジンスキー」の意味・わかりやすい解説
コルジンスキー
こるじんすきー
Дмитрий Сергеевич Коржинский/Dmitriy Sergeevich Korzhinskiy
(1899―1985)
ロシアの岩石鉱床学者。植物学者を父としてサンクト・ペテルブルグ(ソ連時代のレニングラード)に生まれる。同地の実科学校から鉱山専門学校に進み、1926年卒業して地質委員会に勤務した。1929年母校の助手となり、教授に進む。1938年学位取得。1953年ソ連科学アカデミー(現、ロシア科学アカデミー)正会員にあげられ、レーニン勲章を受けた。岩石鉱床学の分野で、開いた系の多相平衡論を確立し、完全移動成分、固定成分、局所平衡などの新しい概念を導入した。発表の当初は理解されなかったが、アメリカのトンプソンが紹介してから岩石鉱床学の有力な理論として認められるようになった。主著に『鉱物共生解析の物理化学的基礎』(1957)がある。
[橋本光男]
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