サイドスキャンソナー(その他表記)side-scanning sonar

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サイドスキャンソナー」の意味・わかりやすい解説

サイドスキャンソナー
side-scanning sonar

船舶後部で曳航される装置から超音波ビームを進行方向に垂直に発射し,海底面からの反射強度の強弱から,海底表面の構造などの情報を得る装置。測深機よりも情報を得られる範囲が広いため,最近よく用いられるようになった。最近では位相解析から深さ情報も得られるものも開発されている。イギリスの GLORIA,アメリカの SEAMARK,東大海洋研の IZANAGIなどが深海学術調査の分野では有名である。海底のパイプラインなども明瞭に把握できることから,海洋開発などでも広く用いられている。

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知恵蔵 「サイドスキャンソナー」の解説

サイド・スキャン・ソナー

サイド・ルッキング・ソナーともいう。船舶の後部から曳航される曳航体(フィッシュ)から、超音波ビームを、進行方向に垂直に扇形に発射、海底面からの反射強度の強弱の分布を濃淡分布に変換、図化する。海底の割れ目やサンドウエーブ(砂が描く波紋)、溶岩流などの自然現象のほか、海底のパイプラインや沈没船などもリアルに図化できる。海面付近(100m以浅)を曳航する型と、海底付近(海底上約100m)まで降ろす深海曳航型の2通りがある。

(小林和男 東京大学名誉教授 / 2007年)

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