ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パイプライン」の意味・わかりやすい解説
パイプライン
oil pipeline; gas pipeline
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翻訳|pipeline
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パイプを通じて流体などを輸送するための施設。その種類を輸送対象物別にみると、天然ガス、都市ガスや炭酸ガスなどの化学ガスの気体輸送、石油、液化天然ガス、上下水、工業用水、カ性ソーダなどの液体輸送、スラリーslurry(粉体の懸濁液)、粉粒体やカプセルなどの固体輸送に分けられる。このうち大規模な輸送手段としては、石油と天然ガスのパイプラインがある。
大規模のパイプラインの特徴は大量の流体を連続的、効率的、経済的、かつ安全に遠距離に輸送できることである。パイプラインでは下水道のような自然流下式のものもまれにはあるが、一般には圧送方式が用いられるので、パイプはかなりの高圧を受ける。またパイプの大部分は地中に埋設され、土の圧力、車両からの圧力、不等沈下や地震などの影響を受けるので、その計画、設計、施工にあたっては慎重な配慮が必要である。
パイプラインの起源は紀元前3世紀のローマの水道までさかのぼるが、石油や天然ガスのパイプラインが発展したのはこの100年余の間であり、アメリカ合衆国で1862年に長さが300メートル程度の石油パイプラインを設置したのが最初という。1895年に鋼管が使用され、20世紀に入るとアメリカ合衆国南西部の新油田地域と東部の既存製油所や海岸ターミナルとを結ぶ大規模な原油パイプラインが発達した。天然ガスパイプラインは第二次世界大戦後に急速に発達した。日本では、新潟の天然ガスを東京へ輸送する東京パイプライン(延長330キロメートル、口径約30センチメートル、圧力50キログラム毎平方センチメートル、1962年完成)が本格的なものである。
[小林昭一]
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