さぶる児(読み)さぶるこ

精選版 日本国語大辞典 「さぶる児」の意味・読み・例文・類語

さぶる‐こ【さぶる児】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「さぶる」は、上二段動詞「さぶ」の連体形。しなやかな美女の意 ) うかれめ。遊女。さぶるおとめ。
    1. [初出の実例]「此ほとりなるさぶるこ(遊女)にたはれて」(出典:随筆・こがねぐさ(1830頃か))

さぶる児の語誌

( 1 )動詞「さぶ」は「霊異記‐上」の「窈窕」について興福寺本訓釈に二字あわせて「佐備」とあるところから「しなやかで美しくふるまう」の意とされる。
( 2 )万葉‐四一〇六」の「南風吹き 雪消溢りて 射水川 流る水沫の 寄るへなみ 左夫流其児(サブルそのこ)に」には「言佐夫流者遊行女婦之字也」と注があり、その反歌の一首「里人の見る目恥づかし左夫流児(サブルこ)にさどはす君が宮出(みやで)後風(しりぶり)」〔万葉‐四一〇八〕では、遊女の名として用いられている。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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