さやぐ(読み)サヤグ

デジタル大辞泉 「さやぐ」の意味・読み・例文・類語

さや・ぐ

[動ガ五(四)]《「さや」の動詞化
ざわざわと音を立てる。ざわめく。「木の葉が―・ぐ」
騒ぐ。不穏なようすになる。
「水穂の国はいたく―・ぎてありなり」〈・上〉
「世ノ中ガ―・グ」〈和英語林集成

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「さやぐ」の意味・読み・例文・類語

さや・ぐ

  1. 〘 自動詞 ガ四段活用 〙
  2. さやさやと音がする。ざわざわいう音がする。風にそよぐ。ざわめく。
    1. [初出の実例]「栲衾(たくぶすま) 佐夜具(サヤグ)が下に 沫雪の 若やる胸を」(出典古事記(712)上・歌謡)
  3. 騒ぐ。騒がしくなる。また、不穏になる。
    1. [初出の実例]「豊葦原之千秋長五百秋之水穂国は、いたく佐夜芸(サヤギ)てありなり」(出典:古事記(712)上)

さやぐの補助注記

万葉集」ではもっぱら木の葉についての意に用いられ、記紀では用法が多く見られる。類義語「さわく」は「古事記」にはなく、「万葉集」に多く見られ、記紀では両義に「さやぐ」が用いられているが、「万葉集」ではは「さわく」が用いられている。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android