精選版 日本国語大辞典 「しいしい」の意味・読み・例文・類語
しい‐しい
- 〘 感動詞 〙 ( 「しい」を重ねた語 )
- ① 強く制止する時に発する語。
- [初出の実例]「さればこそ波が荒うなったは、ありゃありゃありゃ、しいしいしい」(出典:謡曲・舟弁慶(1516頃))
- ② 動物などを追う時に発する語。しっしっ。
- [初出の実例]「ざこばかりじゃ、しいしい」(出典:虎明本狂言・名取川(室町末‐近世初))
- ③ 人を呼ぶ時に言う語。もしもし。
- [初出の実例]「是へ参る者は、一段よささふなものじゃ、言葉をかけう、しいしい申」(出典:虎明本狂言・秀句傘(室町末‐近世初))
- ④ 貴人の出入り、通行などのとき、先払いのために発する語。警蹕(けいひつ)の語。
- [初出の実例]「殿のお帰り十郎様の御帰り、しゐしゐとうやまひの声を聞くにも」(出典:浄瑠璃・曾我扇八景(1711頃)紋尽し)
- ⑤ 静かにするように促す時に発する語。しっしっ。
- [初出の実例]「おい諸君、だまるんだとさ。シーシー」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉一一)