改訂新版 世界大百科事典 「シオミドロ」の意味・わかりやすい解説
シオミドロ
Ectocarpus
褐藻綱シオミドロ目シオミドロ科の1属で,形状は褐色の髪の束のようである。体は単列糸状で分枝をもち,また細胞がらせん形の色素体をもつことが特徴である。世界各地の沿岸に分布するが,種類数は寒海に多い。代表的な種にシオミドロE.siliculosus(Dillw.)Lyngb.があり,冬季によく生育し,大きいものは長さが30cmにもなる。ノリ養殖場では害藻として嫌われる。似た属に,多数の円盤状の色素体をもち,生殖器官を体の比較的上部につけるギフォルディア属Giffordia,同じく色素体が円盤状であるが,生殖器官を体の比較的下方につけ,しかも体は他の海藻上に生育するフェルドマンニア属Feldmanniaなどがある。
執筆者:千原 光雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報