化学辞典 第2版 「シドノン」の解説
シドノン
シドノン
sydnone
代表的なメソイオン化合物.多くのイオン構造の共鳴混成体として表されるので,下記のように+-を記した構造式で書かれる.置換体は,1935年にシドニー大学のW. Bakerによって合成され,シドニーにちなんでこの名称が与えられた.3-フェニルシドノン(R1 = C6H5,R2 = H)は,N-ニトロソフェニルグリシンC6H5N(NO)CH2COOHに,無水酢酸を作用させて得られる.融点135 ℃.水,希酸,希アルカリに不溶,エタノール,氷酢酸に可溶.一般に,N-アルキルシドノンは液体または低融点の固体,N-アリールシドノンは高融点の固体となる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報