氷酢酸(読み)ヒョウサクサン(その他表記)glacial acetic acid

デジタル大辞泉 「氷酢酸」の意味・読み・例文・類語

ひょう‐さくさん【氷酢酸】

純度99パーセント以上の酢酸。冷やすと氷のような結晶塊になる。

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精選版 日本国語大辞典 「氷酢酸」の意味・読み・例文・類語

ひょう‐さくさん【氷酢酸】

  1. 〘 名詞 〙 純度九九パーセント以上の酢酸。常温ないし低温のときは氷状の固体になる。氷酢。〔稿本化学語彙(1900)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「氷酢酸」の意味・わかりやすい解説

氷酢酸
ひょうさくさん
glacial acetic acid

純度の高い酢酸CH3COOHのこと。略して氷酢ともいう。酢酸は純度が高くなるほど融点が高くなり、常温ないしはそれよりすこし低い温度で氷状の固体として存在する。この状態の酢酸を氷酢酸という。JIS(ジス)(日本工業規格)、日本薬局方とも99%以上の酢酸を氷酢酸と定めている。規格によると融点は14.5℃以上である。

[廣田 穰 2015年7月21日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「氷酢酸」の意味・わかりやすい解説

氷酢酸
ひょうさくさん
glacial acetic acid

融点 16.7℃,沸点 118℃。飽和脂肪酸一種で,酢酸のうち純度 98%以上のものは融点が常温に近いために特に氷酢酸と呼ばれている。酒類酢酸発酵によって得られる酢に3~4%含まれ,またアセチレンと水の反応,アセトアルデヒドの酸化などにより得られる。無色液体で,水およびほとんどすべての有機溶媒可溶で,水溶液は鉱酸よりも弱い酸性を示す。氷酢酸は皮膚や粘膜に強い炎症を起す。溶媒としてあるいは有機化合物合成の原料として多量に使われる。

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栄養・生化学辞典 「氷酢酸」の解説

氷酢酸

 C2H4O2 (mw60.05).CH3COOH.純度の高い酢酸で,気温が下がると氷のように固化することから命名されている.

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改訂新版 世界大百科事典 「氷酢酸」の意味・わかりやすい解説

氷酢酸 (ひょうさくさん)

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化学辞典 第2版 「氷酢酸」の解説

氷酢酸
ヒョウサクサン
glacial acetic acid

水を含む純度96% 以上の酢酸.冬期には氷結するので,氷酢酸とよばれる.

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百科事典マイペディア 「氷酢酸」の意味・わかりやすい解説

氷酢酸【ひょうさくさん】

酢酸

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世界大百科事典(旧版)内の氷酢酸の言及

【酢酸】より


[性質]
 強い刺激臭をもつ無色の液体で,融点16.635℃,沸点117.8℃,比重1.0492(20℃)。水を含まないもの,および少量(1%以下)しか水を含まない純粋に近いものは冬季に氷結するので,とくに氷酢酸glacial acetic acidと呼ばれる。液体状態やベンゼンなどの非プロトン性溶媒中ではふつう,水素結合によって分子間会合した二量体として存在している。…

※「氷酢酸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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