置換体(読み)ちかんたい(英語表記)analogue compound

  • analogue compoundanalogous compound
  • substitution product

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

一つの化合物について、その化学成分中の特定の原子あるいは原子団を、ほかの原子あるいは原子団によって置換することで得られる別の化合物のこと。普通は置換している原子あるいは原子団の名称をその前につけ、灰鉄輝石CaFe[Si2O6])は透輝石(CaMg[Si2O6])のFe置換体(厳密にはFe2+置換体)であるというようにいう。混乱を招く恐れのある場合は、「灰鉄輝石は透輝石のMgのFe2+置換体である」というように、対象となる化合物や鉱物の化学組成中の原子の種類を限定して表現する。これらの表現は化合物でも鉱物でも用いられるが、化合物の場合、多く化学式そのものが化合物の名称となっているため、この表現が用いられるのは鉱物に多い。また複雑な化学式をもった鉱物を特徴づける成分のごく一部がほかの成分によって置換される際には、部分置換体という用語も用いられることがある。[加藤 昭]

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化学辞典 第2版の解説

置換反応によって生成した物質.有機化合物では,H原子をほかの原子または原子団で置換して得られる化合物を,もとの化合物の置換体という場合が多い.たとえば,ニトロベンゼンはH原子をNO2に置換したベンゼンの置換体である.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報