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共鳴混成体(読み)きょうめいこんせいたい(その他表記)resonance hybrid

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「共鳴混成体」の意味・わかりやすい解説

共鳴混成体
きょうめいこんせいたい
resonance hybrid

1つの分子の構造が2つ以上の極限構造の重ね合せによって表わされるとき,これを共鳴混成体と呼ぶ。たとえば塩化水素は H-Cl←→H++Cl- などで表わされる共鳴混成体である。ベンゼンにおける炭素原子間の間隔は 1.39Åで,C-C結合の 1.54Åと,C=C結合の 1.34Åとの中間の値となっている。このように極限構造の重ね合せが及ぼす影響を共鳴効果という。なお,このような考え方を,L.ポーリング共鳴説として,C.インゴルドや A.アイシュテルトはメソメリー説として,ほとんど同時に提示した。特に不飽和結合や非共有電子対を有する原子を含む分子の物理的・化学的性質は,共鳴混成体の概念によってよく説明される。共鳴の結果,分子の安定性が増加するとき,その安定化に寄与するエネルギーを共鳴安定化エネルギーという。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

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