シヌック(読み)しぬっく(その他表記)chinook

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シヌック」の意味・わかりやすい解説

シヌック
しぬっく
chinook

北アメリカ西部のロッキー山脈東麓(とうろく)に吹き下りてくるフェーン風の一種シヌーク、チヌークともいう。この乾熱風によって雪がみるみるうちに融(と)けるのでスノー・イーターsnow eaterともいう。この風が吹き下りてくると、気温はわずか15分くらいの間に10~20℃も上がる。モンタナ州のハーブルHavreでは、わずか3分間で気温がマイナス11.7℃からプラス5.6℃まで上昇したという記録がある。この突然の昇温後、気温はさらに激しく上昇するが、これは、その地点暖気団寒気団の著しい出入りがあるからである。シヌックの吹くときは、平原上は一般に晴れているが、山岳地帯は弧状の雲に覆われる。これをシヌック・アーチchinook archという。

根本順吉

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android