シヌック(読み)しぬっく(その他表記)chinook

デジタル大辞泉 「シヌック」の意味・読み・例文・類語

シヌック(Chinook)

《「チヌーク」とも》アメリカのロッキー山脈東側に吹き下ろす乾燥した暖風。また、アメリカのワシントン・オレゴン両州の太平洋岸に吹く湿気を帯びた暖風。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シヌック」の意味・わかりやすい解説

シヌック
しぬっく
chinook

北アメリカ西部のロッキー山脈東麓(とうろく)に吹き下りてくるフェーン風の一種シヌーク、チヌークともいう。この乾熱風によって雪がみるみるうちに融(と)けるのでスノー・イーターsnow eaterともいう。この風が吹き下りてくると、気温はわずか15分くらいの間に10~20℃も上がる。モンタナ州のハーブルHavreでは、わずか3分間で気温がマイナス11.7℃からプラス5.6℃まで上昇したという記録がある。この突然の昇温後、気温はさらに激しく上昇するが、これは、その地点暖気団寒気団の著しい出入りがあるからである。シヌックの吹くときは、平原上は一般に晴れているが、山岳地帯は弧状の雲に覆われる。これをシヌック・アーチchinook archという。

根本順吉

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