日本大百科全書(ニッポニカ) 「シュケー」の意味・わかりやすい解説
シュケー
しゅけー
Nicolas Chuquet
生没年不詳。15世紀後半に活躍したフランスの数学者。1880年に初めてその代数学書『三部書』Triparty en la science des nombresが印刷公表され、広く知られるようになった。この著の終わりの部分に、彼自身パリ出身で医学の学士であり、この書を1484年リヨンで書いたことを記している。その代数学にはアラビアの影響が歴然としてあり、取り扱うことのできたのは二次の数係数の方程式であった。今日の記号で6x3, 5x2, 2xをそれぞれ63, 52, 21そして定数3=30と書く以外、記号法は発達せず、証明も現れていない。
[中村幸四郎]