証明(読み)しょうめい(英語表記)proof

翻訳|proof

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「証明」の解説

証明
しょうめい
proof

数学でいう証明とは,いくつかの命題を定め,これらの命題を前提にして三段論法的規則を,これらの命題あるいはそこから得られた結論に,次々と適用することによって新しいである結論の系列を導くことである。この場合の命題は,本質的にはいくつかの基本的,無定義的対象の間にある基本的関係を言明し,真であることが直接認識できるのであって,公理と呼ばれている。また,推論によって新しく得られた結論は,定理といわれる。以上の証明を直接証明 direct proofということがある。これに対して間接証明 indirect proofとは結論を否定して矛盾を導き,与えられた命題の真理性を導くことである。 (→背理法 )

証明
しょうめい
Beweis

一般には特定事柄,命題が間違いないことを明らかにすることをいう。訴訟上は,裁判官に対し係争事実存否について,合理的な疑いをはさませない程度確信のある事実判断を生じさせる当事者の努力 (挙証) またはこれに基づき裁判官が確信を得た状態をいう。それよりも低く一応確からしいという程度の事実判断を生じさせる努力,または裁判官がそれに基づき一応の心証を得る疎明に対する。裁判官はこのような確信 (高度の確実性に達した心証) を得て初めて係争事実の存否を判断するが,特に刑事訴訟では公訴犯罪事実については高度の確信がなければ有罪判決をすることができない。

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精選版 日本国語大辞典「証明」の解説

しょう‐みょう ‥ミャウ【証明】

〘名〙 (「しょう」「みょう」はそれぞれ「証」「明」の呉音) 仏語。ある事柄について判断や理由などが仏の真実などにかなうことを証拠だてること。しょうめい。
※今昔(1120頃か)四「然(さ)れば世尊、此の由を証明(しょうみゃう)し給へ」

しょう‐めい【証明】

〘名〙
① ある事柄、判断、理由などが真実であるか否かを明らかにすること。証拠立てること。しょうみょう。
※東寺百合文書‐ウ・天喜四年(1056)一二月五日・讚岐国善通寺田畠地子支配状案「若有留貪司者、住持三宝大師聖霊護法天等、垂証明歟」 〔王逸‐離騒経章句序〕
② 数学および論理学で、公理から正しい推論によって他の命題の真であることを示すこと。論証。〔数学ニ用ヰル辞ノ英和対訳字書(1889)〕
③ 裁判官が裁判をする基礎となる事実を確認すること。また、当事者が裁判官にその確認を得させるためにする努力をいう。確信の程度に達しないことをいう「疎明」に対する。〔現代大辞典(1922)〕

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デジタル大辞泉「証明」の解説

しょう‐めい【証明】

[名](スル)
ある物事や判断の真偽を、証拠を挙げて明らかにすること。「身の潔白を証明する」「本人であることを証明する書類」「身分証明」「印鑑証明
数学および論理学で、真であると認められているいくつかの命題(公理)から、ある命題が正しいことを論理的に導くこと。論証。
訴訟法上、当事者が事実の存否について、裁判官に確信を抱かせること。または、これに基づき裁判官が確信を得た状態。→疎明(そめい)

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世界大百科事典 第2版「証明」の解説

しょうめい【証明】

一つの命題を証明するということは,その命題の仮定の部分と既知の定理,すなわち正しいことがすでに証明されている命題とを基礎にして,結論を論理的に導くことである。また,その推論を証明という。“証明する”“証明”は,“論証する”“論証”ともいう。数学では一つの理論体系を作るのに際して,一つの公理系,すなわち,いくつかの公理を定めて,その公理を基礎にして証明される命題,すなわち定理を順次作っていくのである。

しょうめい【証明】

法律上は裁判の前提となる事実について,その間違いのないことを明らかにすることをいい,裁判官からみれば間違いないとの確信をいだいてよい状態のとき,証明があったといい,当事者からみればそのような状態にさせるための立証活動を証明するという。証明は通常過去の事実に関するものであるため,数学的,論理的,科学的証明に対して歴史的証明といわれる。訴訟上の証明は,何を(証明の対象),何によって(証拠方法),どのように調べ(証拠調べ),どのように認定し(自由心証主義),どの程度で証明があったとするか(証明の程度)が問題となる。

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世界大百科事典内の証明の言及

【証拠】より

…これを非供述証拠という。(2)要証事実を直接に証明する証拠を直接証拠といい,それ以外の証拠を間接証拠という。間接証拠によって証明された事実(いわゆる間接事実)は,要証事実を推認する根拠となる。…

※「証明」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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