日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
シュトゥットガルト・バレエ団
しゅとぅっとがるとばれえだん
Stuttgart Ballett
ドイツのバレエ団。創設は17世紀の宮廷バレエ時代にさかのぼるが、世界的に有名になったのは、1961年イギリスの振付家ジョン・クランコがバレエ・マスターになってからである。彼は『ロミオとジュリエット』『オネーギン』『じゃじゃ馬馴(な)らし』などの秀作をレパートリーにし、諸外国から優れたダンサーを集め、このバレエ団を世界的なレベルにしたが、1973年若くして世を去った。その後グレン・テトリーGlen Tetley(1926―2007)が一時期バレエ・マスターであったが、1976年から1995年までマルシア・ハイデMarcia Haydée(1939― )が芸術監督を務め、クランコの作品を軸にしながら、新しい作品も積極的に取り入れる路線を打ち出した。1996年からリード・アンダーソンReid Anderson(1949― )がハイデの後任となり、バレエ団の特徴を引き継ぎながら、若い振付家を育てることにも力を注いでいる。おもなダンサーには、スザンナ・ハンケSusanne Hanke(1948― )、リチャード・クラガンRichard Cragun(1944―2012)、タマシュ・デートリッヒTamas Detrich(1959― )など。ハンブルク・バレエ団とともに、ドイツを代表するバレエ団として知られている。初来日は1973年(昭和48)。
[市川 雅・國吉和子]