シュラウタ・スートラ(その他表記)Śrauta-sūtra

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シュラウタ・スートラ」の意味・わかりやすい解説

シュラウタ・スートラ
Śrauta-sūtra

『天啓経』と訳される正統バラモンの間で作成されたベーダ聖典の補助文献のうち一種。バラモンの行う祭祀はブラーフマナ文献のなかに規定されているが,ブラーフマナ文献のほとんど大部分は組織的でなく,冗漫で雑然としているから,その内容を簡潔に要約して祭祀を行うのに便利にしたものである。ベーダの各学派にあったが,現今では約 17種のものが伝えられている。

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世界大百科事典(旧版)内のシュラウタ・スートラの言及

【カルパ・スートラ】より

…ベーダ聖典に定められた祭式を行うために必要な規則を網羅した《カルパ・スートラ》もその一つで,6種中もっとも重要視されている。(1)シュラウタ・スートラ(天啓経),(2)グリヒヤ・スートラ(家庭経),(3)シュルバ・スートラ(祭壇経),(4)ダルマ・スートラ(律法経)の4部門に分かれている。(1)はバラモンが司祭となって行う,大規模な公的祭式の規則を集めたもので,ベーダ文献から実用に必要な要点のみを抽出しており,古代インドの宗教儀礼を知るために不可欠の文献として重視される。…

※「シュラウタ・スートラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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