シュワルツの不等式(読み)シュワルツのふとうしき(その他表記)Schwarz's inequality

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シュワルツの不等式」の意味・わかりやすい解説

シュワルツの不等式
シュワルツのふとうしき
Schwarz's inequality

コーシーシュワルツの不等式,ブニヤコフスキーの不等式ともいう。数列 a1a2,…,an および b1b2,…,bn があるとき,不等式
が成り立つ。これをシュワルツの不等式という。等号は a1/b1a2/b2=…=an/bn のときに成り立つ。この不等式は積分にも拡張される。 f(x) ,g(x) が区間 [ab] で積分可能ならば
が成り立つ。等号が成り立つのは,f(x) ,g(x) の比が定数であるとき,すなわち [ab] において常に λ1f(x)+λ2g(x)=0 になるような定数が λ1≠0 ,λ2≠0 で存在するときだけである。

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世界大百科事典(旧版)内のシュワルツの不等式の言及

【絶対不等式】より

…平面上の二つのベクトルa=(a1,a2),b=(b1,b2)のなす角をθとすると,cosθ=(ab)/|a|・|b|(分子はベクトルの内積,分母はベクトルの長さの積)だから,|cosθ|≦1なることにより次の不等式が得られる。 (a1b1a2b2)2≦(a12a22)(b12b22)n次元のベクトルについても,同様にして,これをコーシー=シュワルツの不等式という。また,ベクトルの長さに関してよく知られた関係|ab|≦|a|+|b|を成分で表したものをn次元のベクトルについて書けば,さらに一般に,任意のp≧1に対して,不等式,が成立する。…

※「シュワルツの不等式」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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