コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

不等式 フトウシキ

デジタル大辞泉の解説

ふとう‐しき【不等式】

二つの数・式がしくないことを、不等号を使って表した式。AがBよりも大きいときはA>B、AがB以下であるときはA≦Bのように表す。

出典|小学館デジタル大辞泉について | 情報 凡例

世界大百科事典 第2版の解説

ふとうしき【不等式 inequality】

二つの数学的対象A,Bが等しくないことを表すAB,ABより大きいことを表すAB,ABより小さいかまたはABとが等しいことを表すABなどを不等式という。ABBAとは同じことを表す。ABとの不等式が考えられ,それらが計算の対象となるのは,A,Bなどのとる値が実数のように大小関係の定められた集合の元であって,それらの元の間に加減乗除の算法が定まっているときである。例えば複素数には大小関係が定められないから,複素数についての不等式は扱われない。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

大辞林 第三版の解説

ふとうしき【不等式】

不等号を用いて表された式。

出典|三省堂大辞林 第三版について | 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

不等式
ふとうしき
inequality

不等号を含んだ数式。不等号は実数の大小関係を表す記号で次のように用いられる。
(1) abab より大きい)
(2) abab より大きいかまたは等しい)
(3) abab より小さい)
(4) abab より小さいかまたは等しい)
ある変数についての不等式が与えられたとき,不等式を満たすような変数の値全体の集合を不等式の解と呼ぶ。また不等式の解を求めることを,不等式を解くという。不等号を含んだ数式が変数の 1次式であるとき,特にその不等式を 1次不等式と呼ぶ。不等式の両辺に同じ実数を加えても,不等号は変わらない。この性質を用いて,不等式をく際に,等式と同様に移項の操作をすることができる。不等式の両辺に正数を掛けたり割ったりしても不等号は変わらないが,両辺に負数を掛けたり割ったりすると不等号の向きが反対になる。実数の大小に関する不等式は次の性質をもつ。
(1) aaaa
(2) ab かつ ab ならば ab
(3) ab かつ bc ならば ac
これらは順序公理として,抽象的に定式化される性質である。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

不等式
ふとうしき

数や式の大小関係を示す記号>,<,≧,≦を不等号といい、不等号を用いて表した式を不等式という。不等式は、実数の大小関係が基本になっている。したがって、不等式を扱うときは、かならず実数の範囲内で考えることにする。
  abab>0
  ab ⇔ 数直線上ではabの右側の点
が、不等号の基本の意味である(⇔は必要十分条件であることを示す)。
 不等式の基本性質は
(1)a>0,b>0ならばab>0
   a<0,b<0ならばab<0
(2)a>0,b>0またはa<0,b<0ならばab>0
   a>0,b<0またはa<0,b>0ならば ab<0
(3)ab,bcならばac
(4)abならばacbc,acbc
(5)ab,c>0ならばacbc,a/cb/c
   ab,c<0ならばacbc,a/cb/c
 不等式の解法は
〔1〕一次不等式の場合、基本性質を利用して、xa,xa,xa,xaの形に帰着させる。たとえば、3x+5>5x+1の解は、
  (3x+5)-5x-5>(5x+1)-5x-5(基本性質(4))
  -2x>-4, x<2(基本性質(5))
こうしてx<2を得る(図A)。
〔2〕二次不等式の場合、
  ax2bxc0 (a>0)
の形に整理してから、ax2bxc=0の解を考える。この解の状況によって、表1のように分類される。
〔3〕高次不等式の場合、因数分解して、因数の符号を考えて処理する。たとえば、
  x3-2x2-5x+6>0の左辺は(x-1)(x+2)(x-3)と因数分解される。表2の符号の分析により、不等式の解は
  -2<x<1, 3<xとなる(図D)。
〔4〕分数不等式の場合、すべての項を一辺に集めて通分し、因数の符号を考えて処理する。たとえば、

これを移項して

この最後の不等式の各因子の符号の分析は例2と同じく、表2のようになる。ゆえに、解は
  -2<x<1, 3<x
となる(図D)。
〔5〕このほか、無理式を含む不等式、指数関数、対数関数、三角関数を含む不等式など、さまざまな不等式がある。
 不等式の解法では、不等式が正しいために不等式の中に含まれる文字がとりうる値の集合を求めた。これに対して、与えられた条件を満たすすべての文字の値の組合せについて、不等式が恒等的に成立することの証明が必要となる場合もある。たとえば、
  a>0,b>0のときa3b3a2bab2
を証明するには、
  a3b3a2bab2
   =(ab)(a2abb2ab)
   =(ab)(ab)2≧0
同様に
  a2b2c2abbcca
を証明するには、
  a2b2c2abbcca=(1/2){(ab)2+(bc)2+(ca)2}≧0
このような、文字がどのような実数値(あるいは正の実数値)をとっても成立するものは、絶対不等式とよばれる(表3)。[竹之内脩]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

不等式の関連キーワードフレデリック・L.B. ツォイテンハーカー‐カスパーの不等式チェビシェフの不等式アダマールの不等式チェビシェフの定理シュワルツの不等式条件つき不等式チェビシェフ平均値の定理ベルの不等式小沢の不等式不確定性原理指数不等式組合せ理論式(数学)指数方程式対数不等式三角不等式絶対不等式無理不等式

今日のキーワード

分水嶺

1 分水界になっている山稜(さんりょう)。分水山脈。2 《1が、雨水が異なる水系に分かれる場所であることから》物事の方向性が決まる分かれ目のたとえ。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

不等式の関連情報