改訂新版 世界大百科事典 「シレンク」の意味・わかりやすい解説
シレンク
Leopol'd Ivanovich Shrenk
生没年:1830-94
ロシアの民族学者。シュレンクとも呼ぶ。生地はウクライナのハリコフ付近。1854-56年,科学アカデミーのアムール川・サハリン島調査を指導。主著《1854-56年のアムール地方の旅と調査》4巻(ドイツ語,1859-1900)はその報告書で,アムール地方に住む人々の人種構成と文化,習俗を初めて包括的に記述したものとして著名。《アムール地方の異族》3巻(1883-1903)は,同書の民族学関係の部分をロシア語訳したものである。1879年から没年まで,ペテルブルグ人類学・民族学博物館の館長を務めたが,彼はまた,〈古アジア諸族paleoaziatskii narody〉(旧アジア諸語)という用語,概念を初めて用いたことでも知られる。
執筆者:藤島 高志
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報