ジルヤーブ(その他表記)Ziryāb

改訂新版 世界大百科事典 「ジルヤーブ」の意味・わかりやすい解説

ジルヤーブ
Ziryāb

8世紀末から9世紀にかけて活躍したアラブの音楽家。生没年不詳。本名アブー・アルハサン・アリー・ブン・ナーフィーAbū al-Ḥasan `Alī b. Nāfī`。イスハーク・アルマウシリーの弟子。はじめアッバース朝バグダードカリフハールーン・アッラシードの寵を得たが,アンダルスに渡り,後ウマイヤ朝のカリフ,アブド・アッラフマーン2世に仕えた。コルドバに音楽学校を建て,アンダルス楽派の祖となった。彼の歌った曲は1万のレパートリーをもったといわれ,またウードに第5弦を付加したり,鷲の羽軸を撥(ばち)として用いるなどの改良をしたとされている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のジルヤーブの言及

【音楽】より

…さまざまな中立音程の理論的な位置づけである。 マグレブのアラブ音楽は9世紀前半にコルドバで活躍した音楽家ジルヤーブを開祖とする。彼はバグダードで学びアッバース朝カリフのハールーン・アッラシードの宮廷に仕えた優れた音楽家であった。…

【リュート】より

…711年,イベリア半島に侵攻してここを支配したイスラム教徒は,ウードを携えて行った。9世紀には偉大な歌手でウードの名人ジルヤーブがスペインに渡った。一方,9世紀にはイスラム教徒が直接イタリアに侵攻してその文化を持ち込んでいるし,10~11世紀には十字軍が東方から楽器を含むさまざまな品物を持ち帰っている。…

※「ジルヤーブ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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