楽器の付属品。撥、桴、枹などの字をあてるが、一般に次のように区別する。
(1)撥 撥弦(はつげん)楽器の撥奏具。日本では琵琶(びわ)、三味線用のように比較的大型のものを撥、小型のものを爪(義甲)とよぶ。琵琶の撥は通常、黄楊(つげ)製で、本(もと)から末(すえ)へ幅広くなっているのに対し、それから発達した三味線の撥はやや細長く、材料も象牙(ぞうげ)を基調とする。いずれも流派や使用目的により異なる。
(2)桴・枹 体鳴および膜鳴楽器の打奏具。棒状のもの、先端部を拡大したもの、先端部に布や皮革などをかぶせたものなど多種ある。歌舞伎(かぶき)の下座(げざ)音楽では多種の桴を使い分け、風や雨などの自然音を描写する。また梵鐘(ぼんしょう)や鉦(かね)類の丁字型槌(つち)のように突いて発音させるものは「撞木(しゅもく)」ともよぶ。西洋でも太鼓類のスティック、木琴などのマレット、チューブ・ベルなどのハンマー、トライアングルなどのビーターをはじめ、形状や使用目的により多種の桴がある。なお、舞楽の舞具として小道具のように用いられるものもある。
[川口明子]
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…英名も同様。略してバチともいわれ,また小型魚は魚体が丸いのでダルマともいわれる。全世界の熱帯から温帯に分布し,マグロ類中もっとも沖合性が強い。…
…10~11月の大潮の夜に雌雄の体の前方1/3がちぎれ,生殖物を充満させて泳ぎだし,生殖群泳する。このような生殖型個体をバチ,ウキコ,ヒル,エバまたは日本パロロと呼んでいるが,眼が著しく大きくなり,いぼ足も幅広くなって泳ぎやすい形に変形している。生殖型個体が泥の中より浮上することをバチ抜けと呼ぶが,このようなときは魚が飽食するので釣餌に集まらない。…
…雌雄異体で,生殖時期になると雌雄ともに頭部やいぼ足が変形して生殖個体になり,水中を遊泳しながら生殖を行う。このような生殖個体をバチと呼び,地方ではウキコ,ヒルなどとも呼んでいる。イトメのバチは有名で,日本パロロJapanese paloloと呼ばれている。…
…多毛綱に属する環形動物で,生殖時期に海面を群泳しながら生殖を行う生殖型個体をいう。日本では,このような個体を,バチ,エバ,ウキコなどと呼んでいる。ゴカイ科のイトメは日本パロロ(英名Japanese palolo)といわれ,11月と12月にみられる。…
※「ばち」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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