すきと(読み)スキト

デジタル大辞泉 「すきと」の意味・読み・例文・類語

すき‐と

[副]
残らず。完全に。すっかり。
「お眼は―よござんすか」〈浄・八花形
(あとに打消しの語を伴って)全然。
「御声は致しまするが、―見えませぬ」〈虎寛狂・隠れ笠〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「すきと」の意味・読み・例文・類語

すき‐と

  1. 〘 副詞 〙
  2. 少しも残るところがないさま、また、ある状態に完全になるさまを表わす語。すっかり。
    1. [初出の実例]「秦使相国呂不韋誅之、此ですきと滅たぞ」(出典:史記抄(1477)四)
    2. 「帰国の事をすきとわすれつつ、二ケ月ばかり京にとどまりてかよひ」(出典:評判記・色道大鏡(1678)一五)
  3. ( 下に打消を伴って ) その事すべてにわたって否定するさまを表わす語。全然。まるで。すっかり。
    1. [初出の実例]「其れほど又海殊外(ことのほか)遠くして海魚の分すきと無之」(出典:箚録(1706))
    2. 「われらすきと合点まいらず」(出典:談義本・水灌論(1753)三)

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