スターリングサイクル(英語表記)Stirling-cycle

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スターリングサイクル」の意味・わかりやすい解説

スターリングサイクル
Stirling-cycle

19世紀初頭に R.スターリングによって考案された熱機関の作動サイクル。等容 (定積) 加熱,等温膨張,等容冷却,等温圧縮という4つの状態変化を組合せた可逆サイクル。実際には外燃機関の形式をとる。等温膨張のときの温度T1 とし,等温圧縮のときの温度を T2 とし,等容冷却のときの放熱量のすべてを等容加熱に利用できるとすれば,このサイクルの理論熱効率はη= 1-T2/T1 となり,これは同じ温度のもとで作動するカルノーサイクルの理論熱効率に等しい。この原理を応用したスターリング機関は,1816年の特許取得後,18~1922年まで生産されたが,内燃機関発達によって駆逐された。その後 38年からオランダのフィリップ社で研究が続けられ,第2次世界大戦後,熱機関として初めて実用化に成功し,出力 5000馬力のものも開発されている。熱効率が高いのみでなく,平均有効圧力を高くすることも可能である。また冷凍サイクルや熱ポンプサイクルとしての利用の可能性もあり,最近特に注目されているサイクルである。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

お手玉

世界各地で古くから行われている遊戯の一つ。日本では,小豆,米,じゅず玉などを小袋に詰め,5~7個の袋を組として,これらを連続して空中に投げ上げ,落さないように両手または片手で取りさばき,投げ玉の数や継...

お手玉の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android