日本大百科全書(ニッポニカ) 「スナバシリ」の意味・わかりやすい解説
スナバシリ
すなばしり / 砂走
courser
広義には鳥綱チドリ目ツバメチドリ科スナバシリ属に含まれる鳥の総称で、狭義にはそのうちの1種をさす。この属Cursoriusには7種が知られており、インド、アラビア半島、アフリカ北部などの砂漠や荒れ地に分布している。飛ぶことは少なく、速いスピードで砂地を走り回る。逃げることよりも、砂地にじっとして危険を避けることが多い。
種のスナバシリC. cursorは全長23センチメートル。全体が黄褐色で、砂地の色によく似る。目の後方に黒線があり、翼の風切(かざきり)羽も黒色。下面からみると翼全体が黒色にみえる。嘴(くちばし)は湾曲している。餌(えさ)は地上の昆虫類のほかカタツムリやトカゲなども食べる。地面に直接2卵を産み、雌だけが17~18日抱卵する。
[柳澤紀夫]