日本大百科全書(ニッポニカ) 「すみれの花咲く頃」の意味・わかりやすい解説
すみれの花咲く頃
すみれのはなさくころ
フランツ・デーレ作曲、白井鉄造訳詞のシャンソン。1930年(昭和5)8月、宝塚少女歌劇月組の宝塚大劇場公演レビュー『パリゼット』の主題歌としてつくられた。「すみれの花咲く頃、初めて君を知りぬ……」というこの歌の原曲名はドイツ語でWenn der weisse Flieder blüht(白いニワトコの花が咲くころ)であり、これがフランスに入ってQuand refleuriront les lillas blancs(白いリラの花がまた咲くころ)となって流行していたのを、欧米巡遊中の白井鉄造が持ち帰って舞台に取り入れたもの。少女歌劇ファンはもとより、全国の子女に愛唱されて大ヒットし、以後今日まで、宝塚歌劇を代表する歌の一つとして歌い継がれている。
[小川乃倫子]