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宝塚歌劇団 たからづかかげきだん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

宝塚歌劇団
たからづかかげきだん

1913年に創設された女性だけの歌劇団。現阪急電鉄経営の,兵庫県宝新温泉への旅客誘引策の一つとして小林一三によって始められ,当初「宝塚少女歌劇団」といった。高木和夫,坪内士行,岸田辰弥らを指導者として音楽劇を上演。特に 27年のフランス風レビュー『モン・パリ』は,白井鉄造振付による近代感覚に満ちたテンポの速い舞台で成功を収め,日本のレビューのさきがけとなった。 40年に「宝塚歌劇団」と改称。第2次世界大戦後は,74年初演の『ベルサイユのばら』で熱狂的ブームを巻起した。特色である男役のスターをはじめ,多くの女優を送り出している。

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知恵蔵の解説

宝塚歌劇団

兵庫県宝塚市本拠を置く、女性だけの歌劇団。
箕面有馬電気軌道(現・阪急電鉄株式会社)が運営する「宝塚新温泉」の旅客誘致企画として、阪急電鉄創業者の小林一三の発案で少女のみの出演者による「宝塚唱歌隊」が設立されたのが創始。1913年、第1期生16人が採用され、同年12月に、「宝塚少女歌劇養成会」と改称される。14年4月1日、初公演。プールを改造した劇場で「ドンブラコ」、「浮(うか)れ達磨」、「胡蝶」を演じ、同年4回の公演を行った。出演者は高峰妙子、雲井浪子ら16名で、小林一三の発案により出演者の芸名は小倉百人一首からとられた。
19年、出演者の養成施設として宝塚音楽歌劇学校が設立され、宝塚音楽歌劇学校生徒と卒業生による「宝塚少女歌劇団」に改組された。団員数と観客数の増加に伴い、21年、団員を花組、月組に分ける。23年、新歌劇場(翌年「宝塚中劇場」と改称)が完成。24年には、4000人収容の旧宝塚大劇場が完成した。25年に、雪組を新設。27年に、日本最初のレビュー「モン・パリ」が上演され、爆発的な人気を得る。レビューとは、1年のできごとを題材とした流行歌やダンスからなる歌劇で、19世紀末ごろから欧米で盛んになった。
40年、「宝塚歌劇団」となる。33年に設置された星組は、戦時体制下で一度廃止されたが、48年に復活し、98年、宙(そら)組が発足して現在の5組体制となった。各組ごとに、看板的存在の男役と娘役のスターがおかれ、全ての公演演目がこの主演コンビを中心に展開される。他に、どの組にも属さない特殊技能を持つ生徒の集団として専科がおかれ、各組の公演や外部の公演に幅広く特別出演している。
宝塚歌劇団に入団するには、宝塚音楽学校を卒業することが必須である。予科、本科の2年制。受験資格があるのは、中学校卒業あるいは高校卒業または在学中の女子。合格者が掲示板に貼り出される合格発表は、春の風物詩となっている。2003年度より、高校卒業未満の入学者のため、高校卒業資格を修得できる制度が設けられた。
宝塚歌劇団の特徴は、出演者が女性だけで構成された世界でも数少ない劇団であることや、宝塚大劇場と東京宝塚劇場の二つの専用劇場を持ち、大規模なレビューやショーを定期的に上演し続けていることが挙げられる。劇場には、舞台の象徴となる大階段が取り付けられ、色鮮やかな衣装や、オーケストラによる生演奏が舞台を演出する。大地真央、天海祐希、黒木瞳など、退団後も俳優として活躍する宝塚歌劇団出身者は多い。
1995年1月17日の阪神・淡路大震災により、宝塚大劇場はいったん閉鎖したが、同年3月31日、公演を再開。2014年、宝塚歌劇団発足100周年を迎え、記念式典が開かれた。
宝塚歌劇団の団員は、「宝塚」とパリ娘を表すフランス語「パリジェンヌ」を合わせてつくられた「タカラジェンヌ」の愛称で呼ばれる。宝塚歌劇のファンは、ヅカファンと呼ばれる。創立以来のモットーである「清く、正しく、美しく」は、小林一三の遺訓である。

(葛西奈津子 フリーランスライター/2015年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

デジタル大辞泉の解説

たからづか‐かげきだん【宝塚歌劇団】

宝塚市に本拠を置く女性だけの歌劇団。大正2年(1913)設立の宝塚唱歌隊が宝塚少女歌劇を経て、昭和15年(1940)現名に改称。ミュージカル・レビューなどを上演。

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百科事典マイペディアの解説

宝塚歌劇団【たからづかかげきだん】

阪急電鉄経営の少女歌劇団。宝塚温泉の余興用に1913年小林一三が少女唱歌隊を組織したのが最初。1918年東京でも公演,翌年には宝塚音楽歌劇学校と改称した。日本初の本格的レビュー《モン・パリ》(1927年)など新感覚の舞台によって隆盛を続け,〈清く正しく美しく〉をモットーに華やかな貴族趣味の世界を展開。
→関連項目淡島千景岩谷時子松竹歌劇団宝塚[市]坪内士行

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大辞林 第三版の解説

たからづかかげきだん【宝塚歌劇団】

宝塚市に本拠を置く女性だけの歌劇団。小林一三が創始。宝塚温泉のアトラクションから発展、宝塚少女歌劇を経て、1940年(昭和15)宝塚歌劇団となり、レビュー・歌劇などを上演。養成施設として宝塚音楽学校がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

宝塚歌劇団
たからづかかげきだん

日本の代表的な女性だけの歌劇団。兵庫県宝塚市に本拠を置く。箕面(みのお)有馬電気軌道(現阪急電鉄)が開発した遊園地の中の宝塚新温泉に、1913年(大正2)7月、湯客向けのアトラクションとしてつくった宝塚唱歌隊がその前身で、これは当時東京の三越(みつこし)デパートにあった少年音楽隊に倣ったものであった。同年12月に唱歌隊の名を廃し宝塚少女歌劇養成会として発足、翌年4月室内プールを改造したパラダイス劇場で「宝塚少女歌劇」第1回公演として歌劇『ドンブラコ』ほかを上演した。出演者は高峰妙子(たえこ)、雲井浪子ら16名で、創始者小林一三(いちぞう)の発案で芸名は小倉(おぐら)百人一首からとった。
 その後、大阪、神戸にも出張公演を行い、1918年(大正7)5月には東上して帝国劇場でも公演、成功を収めた。同年12月、従来の養成会にかえて宝塚音楽歌劇学校を発足させ、寄宿舎制をとったが、生徒たちの緑の袴(はかま)姿は全国の少女たちのあこがれの的となった。また生徒数の増加に伴い21年には花組と月組が、さらに24年宝塚大劇場竣工(しゅんこう)を機に雪組が生まれた(星組は33年、宙組(そらぐみ)は98年に発足)。
 初期のスタッフには小林一三はじめ久松一声(いっせい)、坪内士行(しこう)、楳茂都陸平(うめもとりくへい)らがいたが、のち岸田辰弥(たつや)、白井鉄造らが台頭、ことに1927年(昭和2)フランスより新帰朝の岸田作・演出によるレビュー『モン・パリ』は未曽有(みぞう)の成功を収め、わが国における本格的レビューの先鞭(せんべん)をつけた。続いて白井の『パリゼット』(1930)、『花詩集』(1933)がそれぞれ好評を得、とくに『パリゼット』の挿入歌「すみれの花咲く頃(ころ)」はあまねく人口に膾炙(かいしゃ)し、熱狂的宝塚ファンも生まれた。また34年には東京・日比谷(ひびや)に東京宝塚劇場が建設され、東京公演の砦(とりで)となった。38年にヨーロッパ、39年にはアメリカへ初遠征。40年に「少女」を外して宝塚歌劇団としたが、戦時色が強まるにつれ活動は制限され、もっぱら工場や軍の慰問に駆り出された。天津乙女(あまつおとめ)、小夜(さよ)福子、葦原邦子(あしはらくにこ)、春日野八千代(かすがのやちよ)らがこのころまでのスターである。
 第二次世界大戦後は菊田一夫(かずお)、長谷川(はせがわ)一夫など劇団外からもスタッフを招き、またブロードウェー・ミュージカルに挑戦するなど新路線も示した。その間、『虞美人(ぐびじん)』(1951)、『ベルサイユのばら』(1974)、『風と共に去りぬ』(1977)などがヒット、越路吹雪(こしじふぶき)、淀(よど)かほる、上月晃(こうづきのぼる)、汀(みぎわ)夏子、鳳蘭(おおとりらん)、大地真央(だいちまお)、黒木瞳(ひとみ)、一路真輝(いちろまき)、純名里沙(じゅんなりさ)ら多くのスターが生まれた。松竹歌劇団など他のレビューが不振ななか、名実ともに日本を代表する歌劇団として創立以来のモットー「清く正しく美しく」を掲げ、活動を続けている。映画界など他の分野で活躍している出身者も多い。[向井爽也]
『宝塚歌劇団編・刊『宝塚歌劇の70年』(1984) ▽高木史朗著『宝塚への招待』(1976・広済堂出版)』

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世界大百科事典内の宝塚歌劇団の言及

【少女歌劇】より

…若い女性だけのチームによって,ショーやオペレッタ風の音楽劇を演じる日本独特の大衆的な演劇形式。現在は名称から〈少女〉の字をはずしているが,〈宝塚歌劇団〉〈松竹歌劇団〉の2劇団がある。
[宝塚歌劇団]
 1912年に白木屋呉服店が西野恵之助の提唱で少女歌劇団を結成,同店演芸場で歌劇《羽子板》を上演したのが少女歌劇のはじめといわれる。…

【宝塚[市]】より

…経営者小林一三は,乗客誘致策として宝塚に温泉と劇場を開設した。大正初期に宝塚少女唱歌隊(現,宝塚歌劇団)が誕生すると非常な人気を呼んだため,4000人収容の大劇場や宝塚音楽学校が次々に建設された。現在は植物園,動物園,遊園地,大温泉を併設する宝塚ファミリーランドに発展した。…

※「宝塚歌劇団」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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