スモルツ(読み)すもるつ(その他表記)John Andrew Smoltz

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スモルツ」の意味・わかりやすい解説

スモルツ
すもるつ
John Andrew Smoltz
(1967― )

アメリカのプロ野球選手(右投右打)。大リーグ(メジャー・リーグ)のアトランタ・ブレーブス投手としてプレー、圧倒的な投手力によって1990年代に黄金時代を築いたブレーブスにおいて、トム・グラビンTom Glavine(1966― )、グレッグ・マダックスとともに強力先発トリオを形成した。2001年に抑え投手(クローザー)に転向したが、05年に先発へ再転向した。

 5月15日、ミシガン州デトロイトで生まれる。ウェイブリー高から1985年、ドラフト22巡目指名を受けてデトロイト・タイガースに入団。1987年、マイナー・リーグのうちにブレーブスへトレードされ、88年に大リーグにデビューした。翌89年、速球と鋭いスライダーを武器に12勝11敗、防御率2.94の好成績を収めると、93年まで5年連続2桁(けた)勝利をマークし、92年には奪三振王のタイトルも獲得した。1994年は6勝にとどまったが、翌年12勝と復活し、96年には24勝、276奪三振と自己最高の成績で最多勝利と奪三振王に輝き、サイ・ヤング賞(最優秀投手賞のこと)にも選ばれた。1998年からは、右肘(ひじ)痛でたびたび休んだが、2年続けて2桁勝利をあげた。2000年は手術を受けて全休、翌01年はシーズン途中から、肘への負担をさけるため抑えの投手に転向して10セーブを記録した。2002年は、ナショナル・リーグ記録の55セーブをマークし、セーブ王となった。2005年には先発に再転向して14勝をマーク、14年連続地区優勝を果たす原動力となった。同年10月、福祉活動や地域奉仕を積極的に行った選手に贈られるロベルト・クレメンテ賞に選出された。2006年は16勝をあげたが、他の投手がふるわずチームの地区優勝は14でストップした。

[出村義和]

2007年以降

先発へ再転向して3年目の2007年は32試合に登板、14勝8敗、セーブ154、防御率3.11、奪三振197。

 2007年までの通算成績は、登板試合702、投球回3367、207勝145敗、防御率3.26、奪三振2975、完投0、完封0。獲得したおもなタイトルは、最多勝利1回、最多奪三振2回、最多セーブ1回、サイ・ヤング賞1回。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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