さい(読み)サイ

  • さい さゐ

デジタル大辞泉の解説

[形動]《「さよう」の音変化》「さよう」のいく分ぞんざいな言い方。「さいざんす」「さいです」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙
① 魚「にごい(似鯉)」の異名
※梁塵秘抄(1179頃)二「海老漉舎人は何処へぞ、さい漉舎人許行くぞかし」
② 魚「うぐい(鯎)」の異名。〔物類称呼(1775)〕
〘名〙 植物「やまゆり(山百合)」の異名。〔古事記(712)〕
〘名〙 敷居。特に、室内の敷居をさしていう。
※三議一統大双紙(15C前)法量門「座席出入の事。〈略〉又座に入時は、さいのきは一尺二寸のけて爪先をたつべし」
〘名〙 拳(けん)をするときに用いる語で、七を意味する。
※浄瑠璃・冥途の飛脚(1711頃)中「けんの手じなの手もたゆく。ろませさい。とうらい。さんな」
〘形動〙 (「さよう」の変化した語) ぞんざいな語形で、「さいざんす」「さいです」「さいでございます」などの連語を作る。
(助動詞「さる」の命令形。四段・ナ変以外の動詞の連用形に付いて) 軽い尊敬または親愛の意を持った命令を表わす。なさい。中世から近世にかけて用いられた。
※歌謡・閑吟集(1518)「あまり言葉のかけたさに、あれ見さひなう、空行く雲の速さよ」
※虎寛本狂言・素襖落(室町末‐近世初)「あの山見さい、此の山見さい。いただきやつれた小原木」
[語誌](1)「ロドリゲス日本大文典」では、四段活用系の動詞に続く「い」と、一・二段活用系の動詞に続く「さい」とを組み合わせた形でとらえ、ともに低い敬意を示す命令のことばとして挙げている。
(2)室町時代後期の口語資料に同程度の敬意を示す命令表現として「い」とともに見られるが、中央語における衰退は早く、江戸時代初期には古い感じを伴い、老人言葉などとして現われ、その後も歌謡など、特殊な慣用的表現に用いられるにとどまる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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