日本大百科全書(ニッポニカ) 「セオリガメ」の意味・わかりやすい解説
セオリガメ
せおりがめ
hinge-backed tortoise
爬虫(はちゅう)綱カメ目リクガメ科セオリガメ属に含まれるカメの総称。この属Kinixysの仲間は、背甲の後半部が蝶番(ちょうつがい)状に連結し、後肢を引っ込めたあと背甲を曲げてすきまに蓋(ふた)をする。ハコガメなど腹甲が蝶番状になったカメは多いが、背甲を折り曲げるのは本属のみである。北部を除くアフリカに3種が知られ、ベルセオリガメK. bellianaが中部、南部、ニシアフリカセオリガメK. erosaとホームセオリガメK. homeanaが中部・西部地方に分布する。甲長20~30センチメートル。蓋のできない甲の前部は堅い鱗板(りんばん)に覆われた前肢で守る。サバナや沼地にすみ、おもに雨期に活動する。
[松井孝爾]