日本大百科全書(ニッポニカ) 「セバーン・トンネル」の意味・わかりやすい解説
セバーン・トンネル
せばーんとんねる
Severn Tunnel
イギリス、セバーン川河口を横断する水底鉄道トンネル。複線型トンネルで、長さ7123メートル。南ウェールズとイングランド南部を短絡させるため、グレート・ウェスタン鉄道によって1873年に着工され、1886年開通した(試運転列車は前年9月に通過し、1886年9月以降、定期貨物列車を運行したが、旅客列車は12月1日より運転された)。世界最初の長大水底トンネル計画であり、工事中は湧水(ゆうすい)に悩まされて、水没の災厄に陥ったこともあり、予想を上回る長期にわたる難工事を経験した。首都ロンドンと南ウェールズのカージフ、スウォンジーなどの都市を結ぶ高速列車がここを通過している。
[青木栄一・青木 亮]