イギリスを構成する連合王国の一つウェールズの首都。ウェールズ南部にあり、ウェールズの政治、文化、商工業の中心都市。人口30万5340(2001)。市街地はブリストル湾に注ぐタフ川の河口に臨み、重要な港湾をもつ。市の起源は、紀元75年、ウェールズ人を統治するべくローマ人がタフ川の河口に砦(とりで)を築いたときにさかのぼる。しかしローマ人の撤退後は廃墟(はいきょ)となり、砦の再興は征服王ウィリアム1世の治世(1066~87)になってからである。再興の歩みは遅かったが、産業革命により発展の契機をつかんだ。その原動力となったのは、内陸に広がる炭田である。産業革命の進行とともに石炭の積出し港として、またコークス炭を原料とする鉄鋼業地として、急速な発展が始まった。港湾施設などに積極的な投資をしてその発展を促進した功労者が、3代にわたるビュート伯爵Earl of Buteである。石炭業の最盛期には世界一の石炭積出し港となり、年間約600万トンを積み出した。いまや石炭ブームは終わったが、工業は多様化し、機械、化学、製紙、醸造などの工業も立地する。1897年以来、都心地区は緑地帯をたっぷりとって計画的に建設され、市役所、裁判所、ウェールズ政庁、ウェールズ大学、ウェールズ国立博物館が整然と配置されている。その他、市街地の中心部にはミレニアム・スタジアムがあり、1999年に行われたラグビーのワールドカップのメイン会場となった。市民には石炭ブーム時代に移住してきたアイルランド系住民が多い。
[久保田武]
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