セブアーノ族(読み)セブアーノぞく(その他表記)Cebuano

改訂新版 世界大百科事典 「セブアーノ族」の意味・わかりやすい解説

セブアーノ族 (セブアーノぞく)
Cebuano

フィリピンのいわゆる平地キリスト教民の一グループで,ビサヤ族に属し,セブ島,ボホール島,ネグロス島東部,レイテ島西部,ミンダナオ島北海岸部などに住み,セブアーノ語を話す。人口は1026万(1975)で総人口の24.3%を占め,タガログ族と並んでフィリピンで最大の言語グループを形成している。セブアーノ地域の中心セブ市には1521年にマゼランが建てたと伝えられる木の十字架や,植民地経営の基礎を築いたレガスピ隊が発見したといわれ,現在もその霊力ゆえに広範な信仰を集めている幼きイエス像Santo Niñoなどの,キリスト教にちなんだ遺跡や遺物が多い。農村部では主要作物としてトウモロコシが全耕地の半分以上で栽培され,二期作あるいは三期作が行われている。またココナッツ栽培が広く行われ,全国生産の約10%を占めている。ただし耕地面積に対して人口が稠密なため,東部ビサヤ地域やマニラ,ミンダナオ島,さらにはハワイやアメリカ本土に移住する者も多い。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のセブアーノ族の言及

【セブ[島]】より

…地下資源に恵まれ,石炭と銅の埋蔵量は全国第1位,特にトレド銅山は有名である。フィリピン最大の言語集団セブアーノ族の故郷で,セブアーノ族の主食であるトウモロコシが耕地の7割で栽培されている。【梅原 弘光】。…

※「セブアーノ族」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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