翻訳|Tagalog
フィリピンのいわゆる平地キリスト教民の一グループで,マニラを中心にルソン島中部・南西部の諸州,およびミンドロ島海岸平野部やマリンドゥケ島などに住み,タガログ語を話す。人口は1000万(1975)で総人口の23.8%を占め,セブアーノ族と並んでフィリピン最大の言語グループを形成している。3世紀を超えるスペイン支配,次いでアメリカ統治,日本軍政,そして現在のフィリピン共和国に至るまで,常にマニラが政治・経済・文化の中心であったために,フィリピンにおけるタガログ族の社会的地位は一般に高く,数多くの政治家,実業家を輩出している。またタガログ族は一般に誇り高く名誉を重んずると考えられており,同時にロマンティストでもあって,すぐれた抒情詩人と音楽家を生み出している。タガログ語は1937年にフィリピンの国語とされ,46年には英語,スペイン語と並ぶ公用語に指定された。さらに59年には,タガログ語を基礎として英語,スペイン語,および他のフィリピン諸語で頻繁に用いられている単語を取り入れたものをピリピノ語(タガログ語とほとんど変りない)と呼び,共和国の国語とすることが定められた。学校教育を通じ,また映画やコミック雑誌などのマス・メディアを通じ,現在ピリピノ語が全島に急速に普及しており,70年の統計によれば総人口の56.2%,20世紀末には90%以上が理解するようになると推定されている。
マニラ北方の中部ルソンはフィリピン群島中最大の沖積平野で,米作を中心とする農村地帯となっているが,その東側半分を占めるブラカン州およびヌエバ・エシハ州南部にタガログ族が住んでいる。マニラ南方の南西ルソン地域には多くの火山がそびえ,フィリピン最大のバイ湖と,中央に活火山を抱えるタール湖の二大湖沼がある。概して西部に米作,東部にココナッツ栽培の地域が広がり,南部のバタンガス州では畜産が盛んである。
執筆者:清水 展
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…フィリピンのマニラを中心とする諸州に行われる言語で,アウストロネシア語族のうち西部語派(インドネシア語派)に属する。タガログ語を母語とする人口は約1000万(1975)で,それはフィリピン全人口の4分の1にみたないが,1937年にすでにフィリピンの国語に指定され(このタガログ語を基礎とした共通語はピリピノ語Pilipinoと呼ばれる),小学校の正課として教えられているから,タガログ語を理解する人口は多い。…
※「タガログ族」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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