精選版 日本国語大辞典 「せめての」の意味・読み・例文・類語
せめて の
- ① 切実な。はなはだしい。感にたえかねている。
- [初出の実例]「せめての心ざしのあまりに、あながちにおぼし忍びて過し給ふも」(出典:浜松中納言物語(11C中)四)
- 「年頃ははぢて見え給はぬ女房の、せめての思ひのあまりにや、いづらやいづらとて走り出でて」(出典:平家物語(13C前)一〇)
- ② 精いっぱいの。最低限の。不十分ながら。
- [初出の実例]「康頼入道、古郷の恋しきままに、せめてのはかりことに、千本の卒都婆を作り」(出典:平家物語(13C前)二)