年頃(読み)トシゴロ

デジタル大辞泉 「年頃」の意味・読み・例文・類語

とし‐ごろ【年頃】

《古くは「としころ」》
外見から判断した、だいたいの年齢。年のころ。「年頃は四〇歳くらいの男性でした」
一人前の年齢。特に、女性の結婚するのにふさわしい年齢。妙齢。「長女年頃を迎える」
そのことにふさわしい年齢。また、一般的にある傾向になりやすい年齢。「働き盛り年頃」「悩みの多い年頃
ここ数年の間。年来。副詞的にも用いる。
「―彼の世話をしてきた藤井夫婦に取っては」〈漱石明暗
[類語]若いうら若い年若年弱としよわ年少弱小年下弱年弱齢妙齢ヤング若盛り血気盛り少壮盛年壮年壮齢男盛り女盛り娘盛り色盛り働き盛り芳紀

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「年頃」の意味・読み・例文・類語

とし‐ごろ【年頃・年比】

  1. 〘 名詞 〙 ( 古くは「としころ」 )
  2. 幾年かの間。ここ数年の間。また、長年の間。副詞的にも用いる。
    1. [初出の実例]「朝日照る佐田の岡辺に鳴く鳥の夜鳴きかへらふ此の年己呂(としコロ)を」(出典:万葉集(8C後)二・一九二)
    2. 「としごろあひなれたる妻、やうやう床はなれて、つひに尼になりて」(出典:伊勢物語(10C前)一六)
  3. 一人前の年齢。特に、女性の結婚するのにふさわしい年齢。妙齢(みょうれい)
    1. [初出の実例]「言はずと知れた妙齢(トシゴロ)の処女(をとめ)」(出典:武蔵野(1887)〈山田美妙〉中)
  4. 外部から見ておしはかった、だいたいの年齢。年輩。年の頃。〔羅葡日辞書(1595)〕
    1. [初出の実例]「其年紀(トシゴロ)は二十三四」(出典:義血侠血(1894)〈泉鏡花〉一)
  5. ちょうどそのことにふさわしい年齢であること。また、考え方や感じ方などが、一般的にいって、ある傾向や志向を持ちやすい年齢であること。
    1. [初出の実例]「吉里は廿二三にもならうか、今が稼ぎ盛の年輩(トシゴロ)である」(出典:今戸心中(1896)〈広津柳浪〉一)
  6. ( 形動 ) 相当年をとっていること。相当の年輩。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「御としころのさふらい。みなうちしにはらを仕候」(出典:会津塔寺八幡宮長帳‐享徳二年(1453)正月裏書)
    2. 「其中に年ごろな、ぢぢいが黙礼して行」(出典:洒落本・遊子方言(1770)発端)

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