精選版 日本国語大辞典 「卒都婆」の意味・読み・例文・類語
そとば【卒都婆・卒塔婆・率都婆】
- 〘 名詞 〙 ( [梵語] stūpa の音訳。頭の頂、髪の房などの義。高顕処・方墳・円塚・霊廟などと訳す ) 仏語。
- ① 仏舎利の安置や、供養・報恩をしたりするために、土石や塼(せん)を積み、あるいは木材を組み合わせて造った築造物。塔。塔婆。卒都婆標。そとうば。
- [初出の実例]「深草陵窣堵婆所レ蔵陀羅尼。自発落レ地」(出典:日本文徳天皇実録‐嘉祥三年(850)四月乙丑)
- [その他の文献]〔法苑珠林‐三〇〕
- ② 転じて、供養のため墓のうしろに立てる細長い板。上部は五輪卒都婆の形をしており、梵字、経文などが記されている。塔婆。そとうば。
- 卒都婆②
- [初出の実例]「そとばやくぎぬきなどいと多かる中に〈略〉尋まゐらせ給へり」(出典:栄花物語(1028‐92頃)浦々の別)
- ③ 経本をいう。
- [初出の実例]「以二率都婆一書二題名一。各賦レ僧云々」(出典:東大寺続要録(1281‐1300頃)供養篇末)