化学辞典 第2版 「セリン酵素」の解説
セリン酵素
セリンコウソ
serine enzyme
セリン残基が活性発現に関与している酵素の総称.アセチルコリンエステラーゼ,ホスホリラーゼ,キモトリプシン,トリプシンなどがこれに属する.これらの酵素分子中のセリン残基のうちで,活性部位に存在するセリン残基(活性セリン)のみがジイソプロピルフルオロリン酸(DFP)により特異的にジイソプロピルリン酸化(DIP化)され,失活するという特性を有する.しかし,これらの酵素前駆体はDIP化されず,また尿素などにより酵素の高次構造を破壊するとDIP化は受けにくくなる.活性セリン近傍のアミノ酸配列には類似性があり,Asp(またはGlu)-Ser-Gly-(またはAla)の場合が多い.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報