ホスホリラーゼ(英語表記)phosphorylase

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ホスホリラーゼ」の意味・わかりやすい解説

ホスホリラーゼ
phosphorylase

デンプングリコーゲンのα-1,4-グリコシド結合を加リン酸分解してグルコース-1-リン酸とする酵素。生物界に広く分布するが,よく用いられる材料は肝臓,筋肉,心臓などの動物組織およびジャガイモ塊茎サツマイモ塊根種子や酵母などである。動物のものにはa型とb型がある。a型は活性があり,それぞれ1分子のピリドキサルリン酸 (ビタミン B6 リン酸) をもつ4量体で,それぞれには1個ずつのリン酸が結合しているが,ホスホリラーゼホスファターゼによりb型となる。これは2量体ずつに解離したもので,リン酸は離れて不活性型となる。b型がホスホリラーゼキナーゼアデノシン三リン酸とによってリン酸化されれば再びa型に戻る。ジャガイモの塊茎から抽出結晶化されたものにはa,b両型はないが,1分子あたり2分子のピリドキサルリン酸を結合している。

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