化学辞典 第2版 「せん光光分解法」の解説
せん光光分解法
センコウコウブンカイホウ
flash photolysis
瞬間強度の大きい光をきわめて短時間照射して(せん光)光化学反応の光源とする方法.光化学的に生成される寿命の短い三重項状態や遊離基などの中間体の研究をするときに用いられる.また,その瞬間的な加熱効果を利用して,熱化学的な迅速反応の研究にも用いられる.せん光法による実験装置の概要は,光化学反応によって生成される中間体の吸収スペクトルをとる場合の例を示せば図のようである.スタートスイッチSにより,まず励起ランプ F1 を発火させて反応セルRを瞬間的に照射し,一定時間後に測定用ランプ F2 を発光させてそのスペクトルを分光写真器で撮影する.遅延回路Mを加減して,種々の時間間隔(数 s~数 μs)で写真をとれば,中間体スペクトルの時間的変化を知ることができる.図のTはトリガーパルスの発生回路である.測定用に定常光源を用い,光電吸光度を測定する方法もある.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報