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遊離基 ゆうりきfree radical

翻訳|free radical

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

遊離基
ゆうりき
free radical

不対電子を有する化学物質で,フリーラジカルとも呼ばれる。一般に遊離分子の光分解,熱分解,放射線照射などによって化学結合が切断して生じる。化学活性が強いので低温でなければ安定に存在しない。たとえばメチル遊離基 ・CH3 は遊離基反応の過程で中間的に存在する。一方,安定で通常の物質と同じように取扱える遊離基も存在する。ジフェニルピクリルヒドラジルは磁気化学の標準試料として使用される。不対電子を2個以上有する遊離基もある。2個の不対電子をもつ遊離基をビラジカルという。遊離基の存在やその化学構造,電子状態などが常磁性共鳴法の開発・発展により詳細に研究されるようになった。化学反応性においても多くの特異性を示す。 (→ラジカル反応 )  

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デジタル大辞泉の解説

ゆうり‐き〔イウリ‐〕【遊離基】

対をなさない電子を一つまたはそれ以上もつ原子または原子団。一般に、分子が熱・光・放射線などの作用を受け結合が切れて生じ、不安定で反応性がきわめて大きい。フリーラジカル。ラジカル。

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百科事典マイペディアの解説

遊離基【ゆうりき】

不対電子(通常の分子は偶数個の電子をもち,これらが対をつくっているが,遊離基には全体として奇数個の電子が含まれ,対になっていない電子がある。これを不対電子という)をもつ原子または原子団をいう。
→関連項目光化学反応フリーラジカル推進剤モル

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栄養・生化学辞典の解説

遊離基

 フリーラジカル,ラジカルなどという.有機化合物から元素が一つ引き抜かれた形の化合物で,不対電子をもつため,反応性に富む.

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世界大百科事典 第2版の解説

ゆうりき【遊離基】

フリーラジカルfree radicalまたは略してラジカルradicalともいう。通常の分子は偶数個の電子をもち,これらが対をつくっているが,遊離基には全体として奇数個の電子が含まれ,対になっていない電子(不対電子。・で表す)がある。炭化水素分子では炭素は4価の原子価をもつが,遊離基では3価となり原子価が飽和していない。基および原子価の概念の発展とともに,遊離基は存在しえないという議論や,遊離基を積極的につくろうという試みが生まれ,1900年にゴンバーグMoses Gomberg(1866‐1947)によって初めてトリフェニルメチル遊離基(C6H5)3C・が発見された(式(1))。

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大辞林 第三版の解説

ゆうりき【遊離基】

不対電子をもつ原子団・原子または分子。一般に、化学反応性が大きく、不安定。気相での光化学反応や熱化学反応、また工業化学上重要な各種の重合反応など、種々の化学反応の中間体として現れる。フリー-ラジカル。ラジカル。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

遊離基
ゆうりき

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世界大百科事典内の遊離基の言及

【化学反応】より

…これは反応に関与する化学結合の開裂のしかたによるもので,化学結合をつくる電子対が一方によって開裂する場合(ホモリシス)はイオン反応となり,電子対が一つずつの電子に分かれ開裂する場合(ヘテロリシス)はラジカル反応となる。不対電子をもつ化学種をフリーラジカルあるいは略してラジカル(遊離基)という。有機反応は形式的に次のように分類することができる。…

【分子】より

…これはきわめて反応性に富む。これを遊離基と呼び,さらに一般的に不安定分子という。このような不安定分子は,化学反応中でも存在していることが分光学的手段などによって確認されている。…

※「遊離基」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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